資本主義へのドーピング注入 8
ヨーロッパ諸国の成熟した資本主義は、これらの買収慣行に対する関心とその利用を長い間失ってきましたが、この資本主義に買収が大挙して復活し、急増するおそれがあります。
この資本主義は、経済的不平等を強めるのに加えて、買収者になりうる者(金持ち)と収賄者になりうる者(権力者)のあいだに主要な社会的裂け目をうちたて、その裂け目を承認しています。
そのうえこの資本主義には、労働なき所得の存在が見られるのです。
この不労所得は、事前の貯蓄をまったく前提としなかっただけになおさら人目を引きます。
たとえそれらの所得が才能の宝庫の上に築き上げられたとしても、それだけにやはり大多数の者にとってそれは手に入りがたいものであり、したがってより異論の余地あるものなのです。
この道が閉ざされている以上、買収の感染はもっぱら反乱の感情を引き起こすことになりかねません。
犯罪の増大は、この反乱の感情のごく自然な表れにちがいないでしょう。
犯罪がすでに別のさまざまな源泉(失業、人種統合の困難、メディアの宣伝)を糧にしてはぐくまれているだけに、なおさらです。
これらの都合のよい状況がすべてそろわなくても、犯罪は買収と同じ道をたどることにしかならないでしょう。