自らがつくり出せない酵素を得る 2
細菌の中には、そのような代謝ヒの弱点をもっておらず、いかなる食物上でも繁殖できるものがいます。
このような細菌は、与えられた食物を自己の増殖に必要な塩基、アミノ酸、その他の分子に変換する、すべての酵素をつくり出す遺伝子を体内にもっているのです。
ビタミンB12は、人間だけでなく、多くの細菌にとっても必須物質です。
しかし、細菌は、ビタミンB12を他のありふれた分子からつくり出す}群の酵素を細胞内にもっていて、摂取している食物中にこのビタミンが不足気味になると、それをつくり始めます。
細菌が人間にとってきわめて有益なものになりうるのは、単純な分子から複雑な分子をつくり出す、このような多彩な能力を備えているからです。
これは、細菌が、そのような能力をもたらす特定の遺伝子をもっているからであり、遺伝子の塩基配列が、私たちにとって必須の酵素のアミノ酸配列を暗号化しているからにほかなりません。
ということは、自己の必要量を上回るビタミンB12を産生するように細菌を「調教」できれば、余剰分を私たちが利用できるということです。
これは、まったくのつくり話ではありません。