自らがつくり出せない酵素を得る 6
1個のDNAから、酵素とDNAの両方を効率よく大量に供給できるのです。
実際には、元になるDNAとその生産物である酵素は、細胞の中に存在しなければなりません。
・・・というのは、有用な量のタンパク質を生産するには、タンパク質を産生する酵素とDNAの自己複製を触媒する酵素の両者を細胞内に保持しなければならないからです。
たとえば、このような細胞として細菌を使ったとします。
細菌が増殖するにつれて(実際、細菌の増殖速度は非常に速い)、細胞内のDNA複製酵素は、新しいDNAをつくり出し、別の酵素がそのDNAから目的とする酵素を産生します。
これは、遺伝子工学の具体例にほかなりません。
DNAを利用して酵素をつくるその酵素が、まさしく目的の酵素である場合ですが・・・ことは、一見遠回りのように思えます。
しかし、DNAの自己複製機能を利用して最大限の供給が図れるので、理にかなった方法といえます。
また、生産物を酵素に限る必要はありません。